マーケティング

ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略のレビュー【競争優位性に】

『競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』という新たなマーケティングの方法を提唱している本書。あの、星野リゾート社長が星野佳路氏が監修しており、本書は私の教科書です。とまで言っておられます。マーケティングの祖とも言われるフィリップ・コトラーも本書を進めておられるそう。

すべてのビジネスにかかわる5要素である、商品、価格、サービス、アクセス、経験価値に点数をつけ、各サービスが5・4・3・3・3の点数であることが黄金比と位置づけ、選択と集中に優れた企業を挙げながらポイントを提示していく。

実例の企業には外資系が多いため、聞きなじみのない方も一定数いるかと思うが、すべてのビジネスに精通する考え方が多いため、手に取ってみてはどうでしょうか?

章立ては以下の通り

1.消費者が企業に求めているものとは

2.ファイブ・ウェイ・ポジショニングという新たなビジネスモデル

3.価格で市場を支配する

4.サービスで市場を支配する

5.アクセスで市場を支配する

6.商品で市場を支配する

7.経験価値で市場を支配する

8.ファイブウェイポジショニングを実践するには

9.供給プロセスの現実

10.ファイブ・ウェイ・ポジショニングは未来にも通用するか

価格

まずは、価格で市場を支配している企業の紹介から始まる。ここでいう価格で市場を支配とは、単に安いというだけではなく、公正さと適正な価格を一貫して提示している企業をいう。ここでは、ご存知ウォールマートのEDLP(Every Day Low Price)戦略が取り上げられており、ハイロー戦略などは消費者の疑いを生んでしまうといっている。事実、あらゆる調査から、ウォルマートがとびぬけて安いという訳ではないことが分かっている。しかし、消費者の意識調査などからも、ウォールマートがどこよりも安いという意見が多数だという。それは、これまで一貫して公正で適正な価格を維持してきたことが、消費者の信頼を得たということに他ならない。

サービス

次にサービスで市場を支配している企業。ここで、サービスと経験価値の関係性が語られる。これらの間には、ほかの3要素と異なり形がない。アクセス、価格、商品の場合、大切なのは「なにを」提供するかだが、経験価値とサービスの場合「どのように」提供するかがものをいう。 あらゆる企業が紹介されるが、最終的にサービスは人に依存してしまうため、企業の理念や教育制度、または、企業理念に理解を示す従業員の存在が必要不可欠だと考える。

近代化によりセルフ化が進んでいるから今だからこそ、サービスの定義を見直す必要がある。

アクセス

アクセスで市場を支配する。ここでのアクセスもまた、立地の良さだけを言っているのではない。今日の消費者に支持されているのは、アクセスの新たな定義のほうだという。その定義というのは、店内を首尾よく回れて、探し物が見つかる、と感じられることだそうだ。

また、物理的なアクセスと心理的なアクセスのよい例としてスターバックスなどが挙げられている一方、アクセスを悪くすることで希少性を高め、魅力にしている企業もある。後者の例で息の長い企業は明示されてはいない。。。

商品

商品で市場を支配する。消費者は最高級品を求めていないとの小見出しから始まる。これは、経営学用語でいうところの顧客機能の頭打ちというものだろう。その製品に求める機能を超えてしまい、価格が高い状態となり、消費者層が受け入れられなくなってしまう状態だ。

経験価値

経験価値で市場を支配する。いまサービス業界ではここに重きを置き始めている企業は多いのではないだろうか。消費者の購買行動が多様化してきているため、「モノ」ではなく「コト」を消費してもらおうという考え。この経験価値は、端的に言えば前述の「コト」消費のことである。日本で有名な企業で考えれば、優れた「コト」消費のパイオニアはオリエンタルランドであろう。

ファイブウェイポジショニングの実践など

ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略の実践としては、組織として取り組んでいくことが重要としている。コア・コンピタンス(会社の核となる事業や技術)やストアコンセプトなど、顧客価値とずれていることが往々にしてあるため、顧客の重要視する要素を振り返ることも必要。また、実践する土台となるのは、やはり人材となるため、それを浸透させるような組織構造や風土も大切にしなければいけないというようなことも書いてある。

5つの要素の未来についての考察もしているが、たしかにこの5つの要素は商売が始まって以来、存在し続けているし、これからもこの要素は大きく変わらない気がする。

経済はグローバル化やIT化、AI、IOTなどデジタル化は勢いを増している。配達がドローンに取って代わることはあるかもしれないし、そのほうがはるかに便利だろう。しかし、本当に全く人と関わらない世の中がやってくるだろうか?きっと誰も望んではいない気がする。

気になった方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか?