アート・絵画

バベルの塔。ブリューゲルはなぜ建設中を描いたのか…

農民ブリューゲル

こんにちは。

現在、東京都美術館で展示中のブリューゲル展、観に行きたいと思いながらも行けていません。。

しかし、昨年のブリューゲルの「バベルの塔」展には足を運べたため、ブリューゲルについて書いてみようと思います。

ブリューゲルとは

ブリューゲル(父)とは、ネーデルランドの画家で、北方ルネサンスの代表的画家。<大ブリューゲル>と通称される。{1525/30~69年、39/44歳?没}

出版者ヒエロニムス・コックのもとで銅版画の下絵制作者として働き、1551年同地の画家組合に加入。その後、間もなくイタリア、フランスに遊学した。

初期には、民間伝説や諺(ことわざ)などを描き、のちネーデルランドに対するスペイン帝国の圧制を宗教的題材に託して劇的に表現、次いで農民生活を愛情とユーモアを込めてリアルに活写、「農民のブリューゲル」とよばれた。

二人の息子も画家である。

大作バベルの塔

バベルの塔とは、旧誓約書に出てくる物語であり、

かつて世界中の人々は同じ言葉を使って、同じように話していた。シンアルという地に住み着いた人々は、レンガとタール(諸説ある)で天まで届く塔を建て、町を有名にしようと試みる。しかし、その野心は神の怒りに触れる。人々が1つの言葉を話しているために、そのような企てが可能になったと考えた神は、人々の言葉を混乱させ、互いの言葉を理解できないようにしてしまう。意思の疎通ができなくなった人々は散り散りになり、ついに塔は完成しなかった

というものです。

この「バベルの塔」の建設に携わる人々の数は、なんと1400人もいるそう。もともと細密描写が得意なブリューゲルだったそうですが、この超絶技巧は圧巻としか言いようがありません。。

バベルの塔

バベルの塔が書かれた背景

ボイスマン美術館のシャーレル・エックス館長が語るには、

 人間の高慢に対する教訓として知られる「バベルの塔」の物語。戒めを強調するため、神の怒りが強風となって塔を崩壊させる様子を描く画家もいた。しかしブリューゲルはむしろ、物語の途中である塔の建設場面を描く。

「神の怒りよりも、人間が挑戦する場面を選んでいる」と。

高尚な宗教画や王侯貴族の肖像画より、農民が働いたり、町の人々が祭りに興じたりする様子を切るとる作品に才能を発揮したブリューゲル。力強く生きる人間の姿に画材を求めたブリューゲル。

無名の人々の大いなる挑戦と受けとめ、「バベルの塔」建設に精を出すひとびとを描いたと思うと感慨深い。

まとめ

ベルギー北部の農村に生まれたと言われているが、詳しい年齢や生地はわかっていないブリューゲル。

はるか遠くを見渡す壮大な風景を表現した版画の図案で、頭角を現したそう。また、奇妙な怪物たちが登場する聖書の地獄絵図や、寓話の世界の図案でも名声を得る。

これだけの才覚を見せながらも、身近な農民に画材を求めるなどの感覚に好感がもてますね。

現在開催中のブリューゲル展では、<ブリューゲル一族>にスポットライトを当てているため、おそらく「バベルの塔」の展示はないと思います。

ですが、父が得意とした細密描写など、一族の血は受け継いでいるようなので期待できるかと思います。

ぜひ、お時間があったら足を運んでみてください。